トランプ政権がAI国家政策フレームワーク発表──州法を連邦法で上書きする「軽規制」路線
イノベーション促進を最優先に。市民団体やEUからは懸念の声も

トランプ政権は2026年3月27日、AI国家政策フレームワークを正式に発表した。このフレームワークの最大の特徴は、各州が独自に制定してきたAI規制法を連邦法で上書き(プリエンプション)する方針を明確にした点だ。カリフォルニア州やニューヨーク州などが進めてきた厳格なAI規制に対し、連邦レベルで統一的な「軽規制」を敷くことで、米国のAI産業競争力を維持するとしている。
フレームワークの主要ポイント
フレームワークは5つの柱で構成されている。第一に、AI開発における連邦規制の一元化。第二に、政府機関でのAI活用の加速。第三に、AI人材の育成と移民政策の緩和。第四に、AIインフラ(データセンター、電力)への投資促進。第五に、国際的なAIガバナンスにおける米国のリーダーシップ確保だ。特に注目されるのは、AIモデルの開発段階での規制を最小限に抑え、具体的な被害が発生した場合にのみ事後的に対応する「軽規制」アプローチを採用した点だ。
POINT
州法のプリエンプションにより、カリフォルニア州のAI透明性法やニューヨーク州の自動雇用判定規制が無効化される可能性がある。法的な争いは不可避だ。
AITAKE編集部の見方
トランプ政権のAIフレームワークは、産業界からは歓迎される一方、市民社会からは強い批判を浴びている。EUのAI規制法が包括的な事前規制を敷く中、米国が正反対の方向に舵を切ったことで、大西洋を挟んだAIガバナンスの分断はさらに深まった。日本にとっての示唆は大きい。日米欧のAI規制がそれぞれ異なる方向に進む中、グローバルに事業を展開するAI企業は複数の規制フレームワークへの対応を迫られる。日本政府は独自の立場を明確にしつつ、国際的な調和を模索する必要がある。
Source: The White House